〈歩くと足が痛い、足がしびれてつらい:脊柱管狭窄症〉

こんにちは、ボディコーチ院長の上野です!
当院には毎年十数人の脊柱管狭窄症と診断されたお客様が来院されます。脊柱管狭窄症は腰の疾患の中でも特に辛い症状の一つで、多くの方が苦しんでいます。この疾患は誰にでも発症する可能性があり、特に年に一回でもぎっくり腰を経験したことがある方にとっては他人事ではありません。

この機会に、脊柱管狭窄症について理解を深めていただければ幸いです。

脊柱管狭窄症とは?

脊柱管狭窄症とは一言で言うと背骨の疾患です。背骨は横から見ると下の画像の形をしています。

上から頚椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾骨です。背骨の中は空洞になっており、その空洞を脊柱管といいます。その脊柱管には脳から繋がっている脊髄が通っています。

脊柱管狭窄症は、脊柱管のどの部分でも発生する可能性がありますが、特に腰椎で頻繁に見られます。この状態は、脊柱管内の靭帯の変性や骨の変形によって引き起こされます。これらの変化により、脊柱管の空間が狭くなり、その結果として脊髄や神経根が圧迫される状態を指します。

脊柱管狭窄症の症状

脊柱管狭窄症の主な症状は間欠性跛行(かんけつせいはこう)です。
間欠性跛行とは、歩行中に足の痛みやしびれ、筋力の低下が起こり、歩くことが困難になることです。そして前かがみなったり、少し休憩すると症状が軽減してまた歩けるというのが特徴です。その他にも日常の腰痛や足に力が入りずらいなども現れます。

脊柱管狭窄症になってしまう原因

1,加齢による骨の変形
脊柱管狭窄症は50歳以降になることが多いため加齢も大きく関係しています。歳をとると軟骨が減少し、椎間板や椎骨が変形しやすくなります。この変形が背骨の外にできると「変形性腰椎症」といい、背骨の中にできることを「脊柱管狭窄症」といいます。しかし、若いうちからぎっくり腰をい繰り返している人は40代でも発症しやすくなります。

2,脊椎すべり症
大きく分けると脊椎すべり症も1番の変形になるのですが、これは脊椎の一部が前方または後方にずれ、脊柱管を狭くするものです。

すべり症

3,体幹が弱い
体幹が弱いと背骨への負荷が大きくなり、背骨の外や中の変形を早めます。体幹が弱くなる原因は、骨盤の歪みと体幹の筋肉(腸腰筋、腹筋群、脊柱起立筋)の硬さと脆弱性です。

4,靭帯の肥厚
脊柱管狭窄症は骨の変形だけではく、脊柱管内の靭帯の肥厚によっても発症します。背骨の中には黄色靭帯があり、靭帯は負荷やストレスがかかり続けると肥厚することがあります。そしてこの黄色靭帯が肥厚してしまうと脊柱管内が狭くなり脊髄を圧迫することがあります。
ちなみにこの黄色靭帯への負荷の原因は不良姿勢です。背中を丸める姿勢ばかり取っていたり、中腰になることが多い方は要注意です。

5,先天的な要因
稀ではありますが一部の人は生まれつき脊柱管が狭い(先天性狭窄)場合があります。

脊柱管狭窄症になってしまったら?

まず、歩いていて足が痛くなったり、しびれたりする場合は脊柱管狭窄症の疑いがあります。その場合は整形外科に受診してみてください。進行が軽度であれば保存療法になります。主にリハビリなど理学療法や整体、痛み止めの薬や注射などで様子を見ていくことになります。症状が重度で保存療法が効果を示さない場合、脊柱管の手術が必要になります。

当院には軽度~重度の方まで来院されますが、やはり手術は避けたい方が多く、なるべく手術以外の方法で改善を試みます。

脊柱管狭窄症は背骨の中の問題なので、整体やリハビリ、エクササイズをしても意味がないと思われている方もいますが、私の経験上、意外と症状は改善していくことが多く見受けられます。歩ける時間も長くなっていく印象です。中には何回やっても全く変化しない方もいましたが、こればかりはやってみなければわかりません。なので脊柱管狭窄症の方にはまず6回(1クール)やってみて改善の兆しがあれば継続してもらうようにしています。

脊柱管狭窄症にならないようにするには

先にも述べたように、年に一度でもぎっくり腰を経験する方は要注意です。ぎっくり腰になるということは、腰の筋肉が硬くなっており、体幹が弱いことを示しています。そのまま年を重ねると、軟骨の減少が進み、脊柱管狭窄症を引き起こす可能性があります。

脊柱管狭窄症の予防方法は、普段の腰痛やぎっくり腰の予防方法とほぼ同じです。姿勢を正し、適度な運動を行い、毎日ストレッチをすること、湯船につかって身体を温めること、そして早く寝ることが重要です。

もしも脊柱管狭窄症の症状が出ている場合や、すでに病院に通っている場合、将来的に心配な方はお気軽にご相談ください。