こんにちはボディコーチ院長上野です!
昨日1年ぶりに来院されたお客様の症例をご紹介します。このお客様は先々週から坐骨部の違和感を覚え、当初は鈍痛でしたが、おとついから急に鋭い痛みに変わったため、不安を感じ来院されました。
実は前回の状態も今回と同じ坐骨部の痛みだったため、今回もその再発によるものと思われますが、他の別の要因によるものかもしれないので改めて詳細な検査と分析を行いました。
坐骨部の痛みの主な原因
坐骨部の痛みにはいくつかの原因が考えられます。代表的なものを以下に解説します。
1. 坐骨神経の障害
腰椎から出ている坐骨神経が筋肉の硬さによって圧迫されたり、寒さによって神経が刺激されることによって生じる痛みです。また椎間板ヘルニアや細菌による炎症、急な動作などで神経を損傷する場合もまれにあります。
2. トリガーポイントによる関連痛
トリガーポイントとは、筋肉内に形成される硬結(しこり)のことを指します。老廃物の蓄積や慢性的な筋緊張によって発生し、関連痛として離れた部位に痛みを飛ばす性質があります。坐骨部の痛みがある場合、殿筋(特に中殿筋や梨状筋)にトリガーポイントが形成されている可能性が考えられます。
3. ハムストリングの付着部の緊張・損傷
ハムストリング(大腿後面の筋群)の起始部に過度な負担がかかると、付着部に痛みを感じることがあります。特にスポーツ活動や長時間の座位による圧迫が影響を与えることが多く、筋力テストやストレッチによる痛みの誘発が診断のポイントとなります。
4. 坐骨下滑液包炎
坐骨部には滑液包と呼ばれる組織があり、繰り返しの刺激や圧迫によって炎症が起こることがあります。滑液包炎が原因であれば、圧痛や腫れ、発赤などの炎症反応が認められます。
診断プロセスと治療方針
お客様の症状を詳しく評価するため、以下のような診断手順を踏みました。
- 問診: 痛みの経過、性質、発生状況を詳細にヒアリング
- 触診・視診: 圧痛や腫れの有無を確認
- 運動検査・整形外科テスト:
- SLR(Straight Leg Raising)テスト:神経の伸張による痛みの誘発
- 筋力テスト:ハムストリングや殿筋の問題をチェック
- 圧痛点の確認:滑液包炎やトリガーポイントの特定
これらの検査の結果、炎症反応は認められず、お客様の痛みは坐骨神経痛の特徴を示していました。特に、「鈍痛から鋭い痛みに変わった」という主訴や、神経伸張テストでの痛みの誘発が決め手となりました。そして、腰やお尻の筋肉の硬さがかなりあるため、前回同様の原因と思われます。
施術と今後の対応
今回の症例では、坐骨神経痛に対する施術を中心に行いました。
- 骨盤矯正:骨盤の歪みが神経圧迫を引き起こしている場合、調整を行うことで症状を緩和
- 筋膜リリース:殿筋やハムストリングの過緊張を緩め、神経への負担を軽減
- 神経モビライゼーション:神経の滑走性を向上させ、痛みの軽減を図る
- 生活指導:座位姿勢の改善、適切なストレッチ・エクササイズの提案
施術後、お客様の反応は良好であり、しばらくこの治療方針で経過を観察することとしました。
まとめ
坐骨神経痛は放置すると慢性化しやすく、日常生活に支障をきたすこともあります。特に「お尻の付け根にズキッとした痛み」を感じる場合は、早めのケアが重要です。当院では、症状の根本原因を見極め、適切な施術を行うことで、痛みの改善と再発予防をサポートしています。
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