〈整体後なぜか痛みが強くなってしまった理由は?〉

こんにちはボディコーチ院長上野です!
先日腰痛で来院された40代女性の方は、当院に来られる前に行ってみた整体院があったとのことです。「どうしてそこを続けず当院にいらしたのですか?」と伺ったところ、そこの整体後腰の痛みが強くなってしまい、そのあと怖くて行けなくなったようです。そして、その強くなった痛みはとりあえず引いたが、通常の痛みは相変わらずなので当院にいらしてくれたというわけです。

整体後に痛みが強くなってしまう原因

せっかく時間を作って整体を受けたのに、逆に痛みが強くなってしまうなんてとても残念ですよね。しかし、実は整体を受けた後に痛みが強くなったり、痛くなかった部分に痛みを感じることがたまにあります。そして、その理由には実は悪いものと良いものがあるのです。

1,悪いもの

悪いものというのは、力をかけすぎてしまい組織を傷つけ、それが炎症を引き起こして痛みが増すというのも。軽いものであれば「揉み返し」、強いものであれば「スパズム(過緊張)」と呼ばれます。従って特に初回の施術では、力を控えめに慎重に施術をすることが大切です。

また揉み方が下手であったり、軽い力であっても筋肉を切るように揉みほぐすと、筋繊維に傷がつき炎症を引き起こします。

他には、すでに炎症があったり、過敏になっていたり、重大な問題を見逃している時も、仮に強い力でなくても、その後痛みが強くなります。そのため問診や検査をしっかり行ってお客様の身体をしっかり把握することが大切です。安価なマッサージでは問診や検査は行わないので注意が必要です。疲れくらいであれば問題ないですが、身体の痛みであれば安価なところはお勧めしません。

2,良いもの

痛くなることに良いものなんてあるのかと思われるかもしれませんが、「癒着の剥離」というものがあります。長年の肩こりや腰痛は筋肉や関節が周囲の組織とくっついてしまっていることがあります。特に筋膜と呼ばれる組織の癒着はよく見られます。

最近話題の筋膜リリースというのは、これらの癒着を剥がすものです。くっついた状態では筋肉をほぐしてもすぐに元に戻ってしまうし、血流やリンパの流れも改善しません。したがって筋膜リリースは必須なのですが、一気に剥がしすぎると組織の炎症を引き起こし、一時的に痛みが増すことがあります。でも、この癒着が剥がれること自体は必要なことで、炎症はたいてい2~3日で引いて痛みがなくなります。炎症が引いた後は体調が以前よりも良くなります。

他にも、頑張って骨格のゆがみを治しすぎてしまい身体のバランスが変化し過ぎて、その変化に身体が対応できない場合も一時的に痛みが現れることもあります。身体は新しいバランスに適応するまでに少し時間がかかるのです。したがって歪みが強いほどゆっくり治す必要があります。

また、マッサージでほぐしすぎた結果、溜まり過ぎた疲労物質が表面に出てきた場合も身体の不調を感じることもあります。疲労がたまりすぎている方ほど起こります。

これら良いものは「好転反応」と呼ばれます。したがって施術後に痛みが増すことは、必ずしも症状が悪化したわけではないのです。

重要なのは、施術後の痛みの原因が前者なのか後者なのかを確認し、前者であれば力加減に注意が必要です。この方がどちらであったかは定かではありませんが、もし後者の場合でしたら、整体院を変更したのは少し早計だったかもしれません。

しかし、仮に後者であっても、お客様にとって痛みは不快なものなので、癒着の剥離や歪みの除去も慎重にゆっくり進めることが望ましいです。しかし、初回の施術では、どうしてもお客様に大きな改善を実感してもらおうとして頑張ってほぐしたり、歪みを調整しすぎる節があるので前者のようにどこかに無理がかかってしまうんです。

当院では、初回の整体では、お客様の身体をしっかり把握することに注力しています。大きな改善はしっかり把握した上で、かつ身体が整体による刺激に慣れてきてから行うようにしています。それでももし万が一当院で施術受けた後に痛みが増したり、痛くなかった部分が痛み出す場合は、必ず次回の施術でお伝えください。原因をしっかり探りたいと思います。


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