1か月ほど前に40代男性が腰痛で来院されました。基本デスクワークのようですが、時々現場に出て肉体作業もやるようです。この方は35歳の時に椎間板ヘルニアをやってしまい、それ以降、腰痛ベルトが必需品になっています。ベルトを外すと腰が痛み、再び椎間板ヘルニアになるのではないかという不安があるようです。
彼の動き観察してると何をするにも恐る恐るで、とても40代男性の動きではありません。
彼はかなり体格は良いのですが、検査をしてみると腰回りの筋肉はかなり固まっています。体幹を支える力もかなり弱っていました。これでは痛みが出ていても不思議ではありませんし、ヘルニアの再発も心配です。
なぜこのような状態になってしまったのか?
もちろん以前、ヘルニアになってしまったこともありますが、四六時中つけている腰痛ベルトの影響が大きいと思われます。腰痛ベルトは骨盤を絞め、体幹を安定させてくれます。特に腹筋群が弱い方はこれを付けると安定感がでるので腰が楽になります。ですが、そんな良いものでも弊害になる場合もあります。
腰痛ベルトを常用するデメリット
1. 筋力の低下
腰痛ベルトを常用し過ぎると、その部位の筋肉がサポートされすぎてしまい、徐々に使われなくなります。結果、筋肉が衰え、腰部の弱体化や機能低下につながります。
2. 依存性の増加
腰痛ベルトの使用に依存しすぎると、身体がそれに頼るようになります。これにより、ベルトを外したときに腰部の安定性が低下し、痛みや不快感が増す可能性があります。依存性の増加は、腰痛の再発や慢性化を引き起こすリスクを高めます。
3. 血流の制限
腰痛ベルトが強く巻かれると、その周囲の血流が悪くなります。これにより筋肉に必要な酸素や栄養が届きにくくなり、疲労や筋肉の弱化が進行する可能性があります。
4. 心理的影響
腰痛ベルトの使用は、痛みに対する心理的な依存を促進する場合があります。使用者がベルトを外した時に痛みが増すという思い込みが強まり、不安や恐怖心が増加する可能性があります。
このように、腰痛ベルトの過度な使用は、筋力低下や依存性の増加などの弊害をもたらす可能性があります。
腰痛ベルトを手放す決意を!
では、どうすれば腰痛ベルトを手放すことができるのでしょうか?
まずは本人の決意が必要です。これだけ頼りに頼って過ごしてきたので、外すことに不安が付きまとうでしょうが、そこは決意していただかなければなりません。
決意ができたら、私の出番です。整体で固まった筋肉・筋膜を整え、骨盤の歪みや動きの悪さも治さなければなりません。本人にも毎日のストレッチをやってもらい、その他いくつか生活習慣の改善も必要です。そして、痛みが半分以下になった段階で、体幹トレーニングを行っていきます。先日ブログで紹介した「プランク」です。
時間はかかりますが、必ず腰痛ベルトに頼らなくても平気な身体に変わっていきますので、一緒に頑張りましょう!
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