〈歩いたり、立ち上がる時に股関節あたりが痛む〉

こんにちはボディコーチ院長上野です!
当院には様々な痛みを抱えている方が来院されます。特に当院は腰痛や骨盤に特化していることもあり、腰痛の方が一番多いのですが、意外と多いのが股関節周りの痛みです。股関節の痛みは足の付け根や鼠径部、恥骨の痛み、お尻の奥あたりに出ることが多く、特に女性に多いのが特徴です。
股関節の痛みが出てしまうと、歩行や階段、椅子からの立ち上がりといった日常生活に支障がでるので、ぜひすぐにでも治したい問題です。

股関節とは?

股関節は、骨盤と大腿骨をつなぐ関節です。

具体的には、骨盤の寛骨臼(かんこつきゅう)というくぼみの部分が、大腿骨の球状の頭部を受け入れる構造になっています。この関節は非常に自由度が高く、前後左右、回転などさまざまな方向に動かすことができます。

股関節は、身体の体重を支え、歩行や走行、屈伸などの動作を行う際に重要な役割を果たします。関節周囲には多くの筋肉や靭帯があり、これらが連動して股関節の動きを制御し、安定させています。

股関節痛の原因は?

この股関節が痛くなってしまうことがあり、その原因はいくつかあります。

1:筋肉の硬さ
股関節を支えている筋肉はたくさんありますが、メインは腸腰筋、中殿筋、梨状筋、内転筋です。これらの筋肉が凝り固まると股関節周囲に痛みが現れやすくなります。

2:股関節自体の硬さ
関節は関節包と呼ばれる靭帯性の膜に覆われています。その関節包自体が硬くなってしまうことがあり、痛みを発することがあります。

3:筋力低下
骨盤のゆがみや股関節のゆがみ、腰からくる神経伝達の低下によって股関節周囲の筋肉が筋力低下してしまうと股関節の支える力が弱くなり、痛みを発しやすくなります。

4:臼蓋形成不全
臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)とは、股関節の受け皿となる部分(臼蓋)が正常に形成されず、十分に深くならない状態を指します。これにより大腿骨の頭がしっかりと臼蓋に収まらず、股関節が不安定になり痛みが出やすくなるというものです。進行すると股関節が変形し、日常生活に支障をきたすようになります。

この臼蓋形成不全は軽度、中度、重度とあり、軽度であればわりと珍しくなく、意外といらっしゃいます。臼蓋形成不全は遺伝的要因,子宮内での胎位異常(頭部が下向き以外の姿勢)出産時の股関節脱臼乳児の場合は股関節や膝関節を伸ばしたままにすること、幼少期の股関節の病気やケガなどが原因となることがよくあります。

股関節痛が女性に多い理由

股関節痛は実は圧倒的に女性の方が多いのです。その理由は、女性特有の骨盤の形状、筋肉量が少ない、ヒール、冷えやすいなどです。
1) 女性特有の骨盤の形状
実は男性と女性の骨盤は形が少し違います。

女性の骨盤は、妊娠や出産に適した作りになっているため、男性よりも幅広くて浅い形をしています。この形状により男性の骨盤よりも歪みやすかったり、股関節が外に捻じれやすくなり、男性よりも股関節や骨盤に負担がかかりやすくなってしまうそうです。

2) 筋肉量が少ない
どうしても男性よりも女性の方が筋肉量が少なくなります。したがって男性よりも股関節を支える力が弱くなります。
3) ヒールを履く
ヒールを履くと骨盤が前傾し歪みやすくなります。骨盤と股関節は直接繋がっており、骨盤の状態に依存します。骨盤が歪めば股関節も歪み、骨盤の動きが悪くなれば、股関節の動きも悪くなります。
4) 冷え
股関節を支える筋肉は冷えに弱い特性があります。股関節を支えるメインの筋肉である腸腰筋、梨状筋、内転筋は冷えに弱く、足先が冷えたり、直接これらの筋肉が冷えると、一気に働きが低下し、股関節の痛みが出やすくなります。

股関節が痛くなってしまったら?

まず痛くなる前に思い当たる原因があるか考えてみてください。歩き過ぎた、靴を変えた、寒い所にずっといた、山登りをしたなど、普段やらないようなことをした後から痛くなったのであれば少し様子を見てみましょう。一時的なものの可能性が高いので、湿布を貼ったり、ゆっくり過ごしてみて、一週間たっても改善しなかったり、痛みが強くなる場合は病院や整体をご検討ください。痛みが強い場合や夜寝てても痛みを感じるのであればすぐに病院に行きましょう。炎症や何らかの病気の可能性があります。

こういった特に思い当たる原因がない、痛みも強烈ではなく、違和感から徐々に痛みなってくるケースであれば、ぜひ当院にご来院ください。きっとお役に立てると思います。心配であればまず病院でレントゲンを撮っもらってもいいと思います。

ちなみに、当院には臼蓋形成不全のお客様もいらっしゃいますが、整体を継続していくと多くの方が痛みが軽減していきます。また放っておくと進行してしまい、人工関節が必要になるので予防の意味でも整体はお勧めです。